退屈な毎日を過ごしていませんか? 活力を吹き込んでくれる文化生活をしてみてはいかがでしょうか。 友人や恋人、家族と一緒に、また一人で見に行けるお勧めのミュージカルを紹介します。XPORTSNEWSの公演エピローグをお届けするコーナー(エックスピローグ)では、ミュージカル・演劇を紹介・レビューし、俳優の演技を振り返ります。【編集者注】
(※ネタバレが含まれています。)
初挑戦には恐怖とトキメキが共存する。
Red Velvetのウェンディが新たな挑戦をした。今年10周年を迎えたミュージカル「レベッカ」を通してだ。
Red Velvetのメンバーとして音楽の舞台に立ってきたウェンディは、ミュージカルという新しいジャンルの舞台で色とりどりの魅力を多様に見せている。
「レベッカ」は、ダフニ・デュ・モーリエの小説「レベッカ」を原作とし、アルフレッド・ヒッチコックの同名映画をモチーフにして誕生した作品だ。
妻レベッカを謎の事故で失った後、暗い影を抱えて生きる男マクシム・デ・ウィンター(ミン・ヨンギの劇中役)と、そんなマクシムを愛して新しい妻となった私(I)(ウェンディ)、私(I)を追い出そうとする執事ダンバース夫人(シン・ヨンソク)などがマクシムの邸宅のマンダレイで繰り広げる物語だ。
2013年に韓国初演された「レベッカ」は、観客に愛され、定番ミュージカルとして人気を博している。現在、ソウル・ブルースクエアで再演中。
ウェンディは私(I)役でミュージカルにデビューした。
レベッカの死でトラウマに苦しむマンダレイ大邸宅のオーナーである英国紳士マクシムと恋に落ちる人物である。ド・ウィンター夫人となった私は、マキシムとレベッカの間の秘密を知った後、マキシムが傷を克服することを助ける。
女性主人公であり、語り手である。劇中に一度も登場しないが、タイトルロールらしい存在感を放つレベッカと、舞台を圧倒するカリスマ性を放つダンバース夫人とともに劇を牽引する。
ミュージカルに進出するアイドルメンバーを取り巻く先入観は昔からある。ウェンディもキャスティングが発表された後、期待と心配の声が上がったのは事実。しかし、蓋を開けてみれば無用の心配だった。
私(I)がほぼすべてのシーンに登場するキャラクターであるため、負担が大きい中、演技と歌唱力を無理なく披露する。
ウェンディは「彼女の純粋で自然で晴れやかなその姿」、「明るいその笑顔すべてを忘れさせてくれる。彼女さえいれば私は自由になれる」というマキシムの歌詞のように、私(I)の素直で明るい魅力を生かしている。
Red Velvetとして活動しながら歌唱力を認められただけに、「レベッカ」でもナンバー「永遠の瞬間」、「プロローグ~夢に見るマンダレイ~」、「こんな夜こそ」などを安定的にこなす。
ただ、感情の変化がはっきり目立つ役なので、1幕と2幕のギャップをもっと見せてもいいだろう。
私(I)は、ヴァン・ホッパー夫人の話し相手兼秘書である時は臆病で未熟な若い女性だが、マンダレイ大邸宅のお上になってからは次第に強靭な女性に変化する。
気さくで優しく臆病にも見える1幕の私(I)と、覚醒してダンバース夫人に断固として接する2幕の私(I)の違いを強調すれば、より完璧な私(I)になると思われる。成長型キャラクターとしての姿がよりよく現れ、観客に爽快感を与えるだろう。
また、ダンバース夫人と一緒に歌う「レベッカ」でも声量をもっと豊かに表現したらいいと思う。
ウェンディにとって「レベッカ」は、ミュージカル俳優としての可能性を確認させてくれた作品だ。10周年記念公演「レベッカ」のヒロインとしてミュージカルの第一歩を華麗に踏み出したウェンディの今後の活躍が期待される。
写真=EMKミュージカルカンパニー