数多くのアイドル、その中には独自のアートを創作したり、表現するアーティストたちが存在します。さらに独立に成功したアーティストたちは、自分だけのアートをさらに広げていきます。メンバー「個人」をアーティストとしてクローズアップするXPORTSNEWSだけの企画インタビュー「アイドルティスト」。XPORTSNEWSが出会った「アイドルティスト」の第12番目の主人公は、グループDIA(ダイア)のメインボーカル出身のソロ歌手イェビンです。【編集者注】
“とりあえず後悔はありません。”
イェビンの口から出た最初の一言に、これまでの歴史がすべて込められている。これ以上明確な一言があるだろうか。
「アイドルティスト」12番目の主人公、イェビンはDIAのメインボーカル出身で、現在はソロ歌手として活動している。清雅で美しい音色を持つ実力派ボーカリストであるイェビンは、作詞・作曲能力まで兼ね備えたオールラウンダーミュージシャンとして存在感を示している。
2015年9月にDIAとして歌謡界に第一歩を踏み出したイェビンは、昨年9月正式に活動を終了した。ちょうど7年だ。
「DIA活動期間は私の人生の練習生時期だと思います。 辛い時も多く、泣くこともたくさんありましたが、その時期を乗り越えてきたからこそ今の私があるのでしょう。 今はソロ歌手としてまた出発点に立ったので、新たにスタートしようと思います」
イェビンの公式的な初ソロ活動は2021年7月、デビュー6年ぶりに発表した初めてのソロ曲「Yes I Know」の時だ。ポップバラードジャンルの曲で、イェビンの優しく落ち着いた声と繊細な感情表現をうまく引き出して音楽ファンたちの心をつかんだ。
完全にイェビンだけの声で満たされた初のソロ曲に「イェビンの再発見」という称賛が寄せられた。ソロ歌手としての可能性を証明したイェビンは昨年6月、初のソロシングル「飛行雲」を発表し、ソロアーティストとして本格的な新出発を告げた。
そうして「DIAのメインボーカル」という修飾語の重荷を捨て、「ソロアーティスト」という肩書きの重みを持つようになったイェビン。まだメンバーたちの空席も大きく、一緒に過ごした思い出が浮かぶことも多いが、一人で新たに作っていく音楽の旅にかける期待が大きいという彼女。
イェビンの新しいスタートを共にするニャムニャムエンターテインメント(以下、ニャムニャムエンタ)には、歌手イ・ボラム、PUNCH、そして俳優キム・ミンジェ、ソン・ジウォン、ソ・ウヒョクなどが所属している。ソロ歌手として音楽的なスペクトルを拡大させると同時に、俳優としての可能性を開いておく歩みが予想できる。
「前の会社の契約期間が終わる頃、”これから何をするの?”という質問をたくさん受けました。 その時、歌と演技のどちらかを選ぶのではなく、様々な分野で活動したいと思いました。 ありがたいことに、ニャムニャムエンタの社長が”全部やろう”と言ってくれたので、所属することになりました」
「以前はメンバーたちとだけ一緒に活動したり話していたので、所属アーティストたちとの交流が少なかったのです。今回の活動を準備する時、キム・ミンジェ先輩のファンミーティングの準備時期と重なったので、練習室でよく会いました。 また、PUNCHさんとは曲作りをしながら親しくなりました。 会社の皆さんと一緒にワークショップに参加したこともあります。 メンバーたちとは違う感覚の仲間だと思うと、心強くて大きな力になります」
過去7年間のDIA活動、その間にしっかりと培った実力を足がかりにソロ歌手として飛躍するイェビン。もちろん、毎瞬間が幸せで、達成感に満ちているわけではないのも事実だ。それでも着実に自分のキャリアを積み重ね、今の地位を築いた。
それでは、イェビンと同じ道を歩んでいる後輩アイドルたちに伝えたいメッセージは何だろうか。 7年という、定められた寿命のような時期の終わりに近づくにつれ、悩みも多くなり考えも多くなるだろうが、次のためにどのような準備をすればいいのだろうか。
「普段からメンバーとたくさん話をして、それぞれの得意なことや好きなことを知っておくことも大切です。 一つくらいは自分だけの武器を作っておくことです。 必ず自分だけのためというよりは、チーム全体の発展のためにも良い方法だと思います。 作詞、作曲をすればチームの音楽的な発展にもつながりますし、ファッションに興味があれば衣装やヘアスタイルに意見を出すこともできます。どんどん考えの幅が広がり、活動ももっと楽しくなると思います」
「アイドルグループの活動が7年間、一度も休むことなくずっと続けばいいのですが、現実的には無理ですよね。 そんな時は、あまり不安になったり苦しくなったりせず、マインドコントロールしながら自分のための時間をたくさん持ってほしいです。 じっと座って不安になるだけでは終わりがないので、そんなことを考える時間に何か一つでもやって忙しく過ごさなければなりません。 YouTubeの編集を学んだり、写真を撮りに行ったり、やることはたくさんありますよね。 そうすれば”私は生きているんだ”と感じることができます。 そうしてでも、今のアイドルのみんなが幸せになってほしいです」
ゆっくりと積み重ねてきたこれまでの時間、だから彼の最初の一言「後悔はない」という言葉から、誰よりも確固たる意志と淡々とした感情が垣間見えたのかもしれない。
「自分自身、そしてメンバーたちを褒めてあげたいです。 色々なことがあり、辛いこともたくさんあったと思いますが、お互いに支え合っていたからこそできたことだと思います。 諦めずに頑張ってくれてありがとうと伝えたいです」
(【アイドルティスト】②に続く)
※この記事は去る8月13日に作成された記事を翻訳したもので、現在の配信時点と内容に多少の違いがあることをご了承ください。
写真=ニャムニャムエンターテインメント, イェビン SNS